AI アシスタントをチャットボックスに押し込むな:Clawdbot は戦場を間違えた
最近、Clawdbot がとても話題だ。メール整理や会議の要約、スクリプト実行、さらにはコード作成まで手伝ってくれると、SNS に投稿する人が増えている。最大の売りは、Slack や Discord のようなチャットツールに直接統合されていて、「@ 賢い同僚」みたいに使えることだ。
確かにスムーズに見える。別のアプリを入れる必要もなく、新しい操作を覚える必要もない。メッセージを送れば動く。
でも、使い続けて少し複雑なことを頼むと、問題がじわじわ出てくる。

ひと言でまとめると:チャットツールはタスク操作向きではない
Clawdbot の最大の問題は機能が弱いことではない。居場所を間違えたことだ。
チャットツールは人間同士の会話のために作られている。タスク実行のためではない。
これは「ちょっと使いにくい」という話ではなく、設計思想そのものの問題だ。
チャットウィンドウの構造は「作業」に向かない
チャット画面の本質を分解するとこうなる:
- メッセージは時系列で並ぶ
- すべてが同じ重みで、状態も階層も「タスクノード」もない
- 割り込みが起きやすい。同僚の一言で文脈が切れる
- 可視化された構造がない。Agent が何をしているか、どこまで進んだか、何が問題かが見えない
でも、AI に「作業」を頼むのは、状態があり、手順があり、フィードバックが必要なプロセスだ。本来必要なのはコントロールパネルであって、チャットボックスではない。
例を見れば一発でわかる
Slack で Clawdbot にこう言う:
「auth モジュールを最適化して、そのあとテストを走らせて。」
Clawdbot の返答:
コード構造を分析中...
関連ファイルを 3 つ発見...
auth.js を修正中...
修正完了、テスト実行中...
テスト通過!
一見問題なさそうだが、次のようになる:
- 同僚が割り込む:「今日の昼ごはん何にする?」
- 戻っても Clawdbot の変更が見当たらない
- 「auth.js の変更内容」を見たくても、何十件も遡る必要がある
- いくつかの出力は流れて見えない
つまり、タスクの過程を追えないし、修正内容を再確認できない。
Clawdbot は作業しているのに、何をしたか分からない。
ぶっちゃけ、チャットツールは「話す」ためのもの
Slack、Discord、微信、钉钉。これらは最初からコミュニケーションのために作られている。得意なのは:
- 素早いメッセージ送信
- グループでのやりとり
- リマインド、通知、協業
でも、「タスク実行」や「状態管理」や「プロセス管理」をやらせるのは、微信で家計簿をつける、QQ でコードを書くようなものだ。技術的にはできても、体験は最悪になる。
Clawdbot は賢いが、方向性が間違っている
チャットにツールを入れるのは、典型的な「参入障壁を下げる」発想だ:
- 新しいアプリを入れなくていい
- チームメンバーにも見えるので広がりやすい
- MVP が速く、コストが低い
これらは間違いではない。だが、核心の体験を犠牲にしている。
Clawdbot は賢い。だが置かれた場所が悪い。
より良いアプローチは?
AI ツールの本当の流れはこうだ:作業は「会話」ではなく「操作インターフェース」で行う。
必要なのは次のようなもの:
- タスクの状態が見える画面
- 各ステップの実行内容が見える構造化パネル
- 開始・一時停止・停止・編集を操作できる領域
- 履歴を保存し、追跡と再利用ができる仕組み
IDE でコードを書く、Notion でドキュメントを書くのと同じだ。ツールはタスクのために作られるべきで、チャットに埋め込むべきではない。
正しい例
🧩 Happy + Claude Code
- Happy はコントロールパネルを提供し、Claude が何をしているか見える
- タスクの進行がリアルタイムに表示され、ログも明確
- 「会話の流れ」に邪魔されない

✏️ Cursor
- AI がエディタに埋め込まれ、同じワークスペースで動く
- いま書いている場所で修正提案が出る
- チャット画面に切り替える必要がない
これらの共通点は:
「助手に話しかける」のではなく、「インターフェースで作業する」こと。
チャットツールは入口にはなれるが、主戦場ではない
チャットとツールの組み合わせを否定しているわけではない。
- Clawdbot は Slack で簡単な命令を受け取れる
- 通知系の機能はチャットに向いている
- クイック起動、リマインド、ステータス更新は「メッセージを送る」形が合う
ただし、複雑なタスクはチャットを出て、専用の操作空間に移るべきだ。
ユーザーならどう選ぶ?
技術に詳しくなくても、次の 3 つを自問すればいい:
- 何をしたかを明確に確認できるか?
- 問題が起きたとき原因を辿れるか?
- タスクが増えても管理できるか?
チャットツールで答えが出ないなら、「画面があるツール」を選ぶべきだ。
まとめ
- Clawdbot は AI をチャットに入れて便利に見えるが、実際は効率が悪い
- チャットウィンドウはタスクの過程を載せるのに向かず、情報が流れて追えない
- 本当に効率的なツールには、進捗を見せて操作できる構造化された画面が必要
- チャットツールは入口向きであり、操作プラットフォームではない
- AI に本当に「作業」をさせたいなら、最初から「タスク操作」を想定して設計された製品を選ぶべきだ
Clawdbot や似た製品を使っている人には、こう理解してほしい:どこに置くかは、何ができるか以上に重要だ。
似た体験があれば、ぜひコメントやシェアを。
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